花王株式会社の化粧品ブランド、Primavista(プリマヴィスタ)は、消費者の急激な購買行動の変化を背景に、デジタル上でのファンベースを中心にしたコミュニケーション開発に注力しています。
プリマヴィスタが3ミニッツをパートナーに選んだ理由は何か?また、今後SNSをどのように展開していくのか?プリマヴィスタのプロモーションを担当している杉原さんと鶴田さんにお話を伺いました。
── 3ミニッツのSNS運用サービス導入に至った経緯を教えてください。
鶴田さん:もともとは、ソフィーナジェンヌというブランドで3ミニッツさんとお取り組みをしていました。EC送客を目的とした動画を、低価格かつ高品質で制作いただいたことで、社内でも評価の声がありました。それから私がプリマヴィスタの担当になり、全体施策の中でファンベースのInstagramに変えていきたいという意向があり、過去の実績からコンテンツ制作力の期待値が高く、コンセプトを良く理解してくださったという点で3ミニッツさんにお願いすることになりました。
杉原さん:3ミニッツさんを選んだ理由としては「総合力」があります。SNSの運用代行だけではなく、プランニング、動画制作、調査、スピード感、などバランスが良いというのは、なかなかないと思っています。
──大変嬉しいです、ありがとうございます!お取り組みを始める際にお持ちだった課題感はどのようなところでしょうか?
杉原さん:ファンベースの施策において、コンテンツ開発に課題を感じていました。以前は、マス広告を中心に据えSNSは補完として活用していましたが、デジタル戦略へ移行する中でSNSの活用を考えはじめ、Instagramはファンベース施策をするという方針になりました。しかしSNSは変化のスピードも早いこともあり、社内だけだと知見もリソースも追いつかない状態だったので、主導権を握ってコンテンツ開発からしていただけるパートナーが必要でした。
──プリマヴィスタで初めてのインスタライブ配信に取り組まれましたが、取り組みに至った背景を教えていただけますでしょうか。
鶴田さん:新型コロナウイルスの影響もあり、お客様の商品の買い方やコミュニケーションが急速に変化し、オンラインで売る方法を模索する必要がありました。その時トレンドとしてインスタライブがあり、3ミニッツさんにご提案いただきました。また、ご提案いただいたコンテンツが実証実験をするもので、実は花王がこれまで実証実験を商品訴求として活用してきたことが多く、相性が良いと思い実施に至りました。
──化粧品ですと薬機法が厳しく、さらにそれをライブ配信で扱う場合社内を説得するハードルは高かったのではと思いますが、どのようにクリアされたのでしょうか?
鶴田さん:それは、徹底した事前の準備です。社内に薬機法を審査する部門があり、ハードルの高いチェックがあります。薬機法をクリアしながら、いかにリアルな生声を引き出せるか、3ミニッツのプランニング担当の方の協力を得ながら何度も何度も修正して企画をブラッシュアップしていきました。
杉原さん:花王では昔から生コマ(テレビ生CM)を実施してきましたが、インスタライブはその現代版のようなイメージです。その知見が活かせたと思いました。
──ライブ配信中はリアルタイムで視聴者から質問が来ますが、その対応にルールを設けるなど何か対策されたのでしょうか?
杉原さん:ライブ配信の現場で薬機法をチェックしながらカンペを出すなどしていました。あとは出演者の方々が普段イベントなどでリアルタイムの反応に慣れていることもあり上手く進行することができました。
──ライブ配信後はインスタ経由での購入が増えたと聞いておりますが、花王さんの中での社内評価はいかがでしょうか?
杉原さん:結果として売上は目標を達成しました。また結果だけでなく、コンテンツの中身や試みに対して高い評価を得ています。タレントさんを起用すると広く認知されますが、今回の場合は比較的費用もかけずに、深くファンに刺さるようなコンテンツということで、目指しているファンベースのコンセプトにマッチし、第一弾としては上出来だったと思います。
──今後SNSで取り組んでいきたいことは何ですか?
鶴田さん:SNSの価値を社内に明示できるように、改めて向かう方向性、戦略を描きたいと思っています。SNSは、短期的に数値として価値が見えづらく、例えば広告とどちらかを選択する必要があるときに選ばれない可能性があります。ファンベースを元に運用した先の道すじをしっかり描いて、投資に対する説明ができるようにしたいと思っています。
杉原さん:「ファンベース」や、SNSの成功パターンが社内にまだないので、我々で見つけたいと思っています。特に若年層からもっと支持されるブランドへ進化するために、コミュニケーションの中に、公式SNSの役割をしっかりと埋め込んで活用していきたいですね。プロモ―ショナルな広告とは違うアプローチで継続的にブランドの背景や未来を伝えていくことをやるべきと思っています。
──今後3ミニッツに期待することは何ですか?
鶴田さん:今はファンベースのコンセプトで進めていますが、変化のスピードが速いSNSなので、専門の方々だからこそキャッチしているトレンドにおける在り方など提案をいただけるとありがたいです。
杉原さん:更なるコンテンツ開発の強化として、化粧品やプリマヴィスタならではの顧客インサイトを捉え、独自のコンテンツを生み出していけるといいと思います。
本日は貴重なお時間をありがとうございました!